TEAM
チーム医療
感染対策室
感染対策室は2012年(平成24年)に設置されました。病院内で起こる様々な感染症から患者さん、ご来院の方々、スタッフなど病院に関わる全ての人を感染から守ることが目的です。感染予防に配慮した安全で安心な療養環境を整えるため、感染症の発生に常に注意し、調査、調整等を行っています。
感染対策組織として感染対策委員会、ICT(感染制御チーム)、AST(抗菌薬適正使用支援チーム)、HCT(ハンドケアチーム)、SST(清掃施設管理チーム)、感染症リンクナース会があります。多職種で構成されたチームは組織横断的な感染対策活動を円滑にしています。また、他の医療機関と連携し、地域全体の感染対策の向上を目指しています。
●感染症対策委員会
病院長をトップとして各部門の代表で構成された組織です。感染対策の審議、検討を行っています。月1回定例会を開催し、必要時には臨時開催も行います。
●感染制御チーム(ICT:Infection Control Team)
1998年(平成10年)に病院内の感染対策を担う実働部隊として発足しました。感染対策の検討や研修の開催、院内ラウンドを定期的に行っています。各部門から選出されたメンバーでチームを作り、組織横断的な活動を行っています。
●抗菌薬適正使用支援チーム(AST:Antimicrobial Stewardship Team)
抗菌薬の不適切な使用は抗菌薬の聞きにくい菌をまん延させる原因になります。ASTは抗菌薬の適正使用の推進を目的に、2017年(平成29年)に発足しました。抗菌薬が最大限の効果を発揮するように主治医に対して診療科を超えた支援を行っています。
●感染リンクナース会
各病棟、外来、救命救急センター、手術室から各1名選出され、自部署での感染防止活動を実践する実行委員です。それぞれが自部署の改善の年間目標を設定し、感染対策の周知や指導を行っています。特に手指衛生の遵守率アップに力を入れています。
●清掃施設管理チーム(SST:Seisou Shisetsu Team)
患者さんに快適で安心・安全な療養環境を提供するため、清掃や施設等の状況把握と改善することを目的として2012年(平成24年)に発足しました。清掃・設備に関連した職員や委託業者がメンバーとなり、地下から屋上まで院内巡視をしています。
●ハンドケアチーム
医療職は頻繁に手洗いや手指消毒が必要であり、手袋をつけることも多いため、職業性手湿疹の発症頻度が高いことが知られています。手湿疹は感染伝播のリスクが高まるだけでなく、重症化すると就業にも支障が出てしまいます。職員の手を守るため、皮膚科医師、皮膚・排泄ケア特定認定看護師を中心にチーム活動をしています。
●サーベイランス
院内感染を早期に発見するため、通常時から感染に関するデータの収集と分析、関連各所への分析結果のフィードバックを行い、感染対策に繋げています。この一連の流れをサーベイランスといい、当院では手術部位感染、カテーテル関連感染、薬剤耐性菌などの様々なサーベイランスに取り組んでいます。
緩和ケアチーム
緩和ケアチームは、がんなどの病気を抱える患者さんの痛み、吐き気、息苦しさや気持ちの落ち込みなど、身体や心の様々なつらい症状を和らげることを目的とした、多職種からなるチームです。緩和ケア内科医師、精神科医師、薬剤師、理学療法士、精神看護専門看護師、緩和ケア認定看護師、管理栄養士、公認心理士などが所属しています。患者さんとご家族が自分らしく、より豊かな生活を送ることができるようサポートしています。
呼吸ケアチーム
人工呼吸器装着患者の早期離脱と適切な呼吸器設定、口腔状態の管理など安全な人工呼吸器運営のための総合管理の実施を目的とするチームです。メンバーは医師・看護師・理学療法士・臨床工学技士として院内ラウンドを行っています。また、院内におけるスタッフ教育として勉強会などを行っています。
栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)
医師、管理栄養士、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、理学・作業療法士などで構成された、栄養改善のためのチームです。
口から食事が摂れない、褥瘡があるなど低栄養状態の患者さんや周術期の患者さんにどのように栄養量を確保していくのかをチームで検討し、主治医に提案を行っています。患者さんは栄養状態が改善すると体力が回復し、傷の治りが早くなり表情や発語が豊かになります。その笑顔を原動力にチーム活動を続けています。
精神科リエゾンチーム
精神科リエゾンチームは、精神科医師、精神看護専門看護師、臨床心理士・公認心理士で構成されています。身体の治療中に併発した精神症状(不眠や不安、気分の落ち込み、認知症症状の悪化、せん妄など)にお困りの患者さんや、何かしらの心理的問題を抱えた患者さんに対して、主治医と連携を取りつつ、その症状やご要望に応じて多職種を対象にコンサルテーションを行ったり、専門的な精神医学的治療や看護ケア、心理面接などを提供するチームです。
褥瘡対策
高齢者の増加とともに、褥瘡を有する患者さんが増加しています。褥瘡は多方面な対応が必要なため、当院ではチーム医療のひとつとして『褥瘡対策委員会』が平成14年から活動を開始しています。メンバーは医師・看護師・管理栄養士・薬剤師・理学療法士・事務職員で構成されて活動しています。
- 褥瘡回診
- 体圧分散マットレスの適切な使用と整備
- 褥瘡対策が必要な患者さまへの褥瘡ケアの実施
- NST(栄養サポートチーム)との連携
- 在宅・地域医療との連携
上記の活動の結果、褥瘡対策委員会発足して以来、年々当院における褥瘡発生率が低下しています。
DMAT
令和6年の能登半島地震は記憶に新しく、多数の死傷者を出しました。こうした災害時の災害死を回避するために組織されたのがDMAT(Disaster Medical Assistance Team)です。DMATは、厚生労働省の認めた専門的な訓練を受けた災害派遣医療チームを言い、受講した者は厚生労働省に日本DMAT隊員として登録されます。当院には医師3名、看護師6名、調整員3名の合計12名の日本DMAT隊員がいます。政府総合防災訓練・APECテロ対策訓練・消防との合同災害訓練などに参加し、いつでも要請に応じられるよう日々訓練を重ねています。
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