副病院長兼消化器内科部長
兼臨床検査科部長
厚川 和裕
消化器疾患には食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓、腹膜疾患などが含まれます。
腹痛、吐血、下血、黒色便、吐き気、嘔吐、食物のつかえ、下痢、便秘、黄疸、食欲不振、腹部膨満等の症状のある方や、検診で胃、大腸、胆嚢、膵、肝機能の異常を指摘された方が対象となります。
このように多岐にわたる疾患、症状に対し、最新の医療機器と医療技術を駆使して、正確な診断と的確な治療を目指しています。外科、放射線科の各専門医とも常に密接な連携をとり、地域の中核病院として高度な専門的医療でしかも安心できる医療を提供していきたいと思います。急性期医療にも積極的に取り組み、消化管出血や閉塞性黄疸等の緊急性の高い疾患に対し、24時間365日対応しています。
消化器内科診療実績 (外科施行分含む) |
R1年度 | H30年度 | H29年度 | H28年度 | H27年度 | H26年度 |
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上部消化管内視鏡検査 | 3,264 | 3,416 | 3,651 | 3,443 | 3,638 | 3,569 |
大腸内視鏡検査 | 2,339 | 2,366 | 2,123 | 2,170 | 2,219 | 1,761 |
内視鏡的大腸粘膜切除術(EMR)、ポリペクトミー | 786 | 762 | 625 | 620 | 572 | 341 |
内視鏡的食道・胃静脈瘤硬化療法(EIS)、結紮術(EVL) | 13 | 30 | 39 | 23 | 22 | 22 |
内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査(ERCP) | 419 | 346 | 289 | 328 | 298 | 168 |
内視鏡的乳頭切開術(EST)、切石術 | 174 | 118 | 75 | 105 | 68 | 54 |
内視鏡的胆道ステント留置術、内視鏡的経鼻胆道ドレナージ | 223 | 173 | 180 | 178 | 142 | 96 |
超音波内視鏡検査(EUS) | 240 | 222 | 128 | - | - | - |
超音波内視鏡下穿刺術(EUS-FNA) | 33 | 32 | 8 | - | - | - |
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) | 164 | 145 | 137 | 120 | 117 | 86 |
経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG) | 22 | 25 | 23 | 44 | 48 | 53 |
ラジオ波熱凝固療法(RFA)、エタノール注入療法(PEIT) | 8 | 13 | 7 | 1 | 1 | 15 |
肝動脈塞栓術(TAE)、動注リザーバー挿入 | 38 | 57 | 66 | 48 | 55 | 64 |
経皮経肝胆道・胆嚢ドレナージ(PTBD・PTGBD) | 56 | 39 | 39 | 48 | 52 | 34 |
内視鏡を駆使した診断と各種治療法に力を入れています。食道、胃、大腸のポリープや早期癌に対しては、内視鏡的粘膜切除術(EMR)および内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っています。出血性胃十二指腸潰瘍や食道・胃静脈瘤破裂、下部消化管出血等の消化管出血に対し、24時間体制で内視鏡的止血術を施行しています。 進行食道癌などの消化管狭窄には、QOL(生活の質)を重視し、ステント留置やバルーン拡張術を施行しています。炎症性腸疾患に対しては、栄養療法と5ASA製剤、ステロイド、分子標的治療薬を中心とする薬物療法を主軸に、特殊療法として顆粒球除去療法(GCAP)、生物製剤を使用しています。
C型肝炎に対しては、経口剤による治療を積極的に行い、良好な成績を得ています。B型肝炎に対しては、核酸アナログ製剤による治療や、セロコンバージョン目的のインターフェロン治療を行っています。劇症肝炎に対しては、必要に応じて血漿交換(PE)、持続血液濾過透析(CHDF)やステロイドパルス療法を施行し、肝移植適応例は肝移植施設へ移送します。
肝がん治療では、外科・放射線科と連携し、患者さんの病状に合わせて、ラジオ波熱凝固療法(RFA)を主とした局所治療、外科的肝切除、経カテーテル肝動脈化学塞栓術(TACE)および皮下植え込み式ポートによる動注化学療法、定位放射線治療等の各種治療法を、選択あるいは組み合わせることにより集学的治療を行っています。門脈圧亢進症に対して、部分脾動脈塞栓術(PSE)、経頸静脈的肝内門脈大循環短絡術(TIPS)およびバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)を施行しています。
総胆管結石に対しては、外科と綿密に連携し、内視鏡的乳頭切開術・乳頭拡張術(EST・EPD)等により、結石を内視鏡で摘出しています。閉塞性黄疸に対しては、内視鏡的胆道ドレナージ術あるいは経皮経肝胆道・胆嚢ドレナージ(PTBD・PTGBD)による減黄を行っています。また、超音波内視鏡(EUS)、超音波内視鏡下穿刺術(EUS-FNA)も積極的に実施しています。
手術不能の悪性胆道狭窄に対しては、内視鏡的胆道ステント留置術等を行いQOLに配慮しています。重症急性膵炎に対して必要に応じて持続血液濾過透析を含めた集学的治療を行っています。
患者さんのQOLを重視した上で、薬物療法、放射線治療、緩和医療を行っています。
日本消化器病学会認定施設
日本消化器内視鏡学会認定施設
日本肝臓学会認定施設
日本大腸肛門病学会専門医修練施設
日本消化管学会胃腸科指導施設
日本がん治療認定医機構認定研修施設
日本救急医学会救急科専門医指導施設
厚川 和裕
斯波 忠彦
武内 悠里子
谷口 礼央
岩崎 暁人
田村 哲哉
川村 允力
鈴木 洸
髙橋 宏太
森岡 晃平
佐野 誠
松本 悠亮